玄徳&阿斗の
劉備廟七不思議談義
プロローグ | ||
玄徳 | 皆様、本日はわが廟へようこそ。ここでは、劉備廟製作秘話を七不思議として皆さんにご紹介をしたいと思う。 | |
阿斗 | というわけで、ボクが劉備廟のナゾにズバズバ突っ込んでいきまーす! | |
玄徳 | ・・・って、えぇ?何でお前が出てくるんだよ?関羽・張飛・孔明とかもっとふさわしいキャストがいくらであるだろ?? | |
阿斗 | 冗談きついなぁ父上〜。だってボク2代目だよ?跡継ぎだよ?阿斗だよ?白い糸のように純粋な心の持ち主だよ? | |
玄徳 | (相変わらずアホだな、こいつ・・・)まあいい、今日はこの父がお前に教えてやろう!すばらしき“劉備廟レジェンド”の数々を!! | |
阿斗 | わーい〜!というわけで劉備廟の七不思議、はじまりま〜す! |
七不思議その1.本殿の劉備像は何故西向きなのか? | ||
玄徳 | 劉備像の本殿といえば、上部に「白虎」があることからわかるように、西向きなんだ。これが何故だかわかるかな? | |
阿斗 | 父上、西とか何とかの前に、話にぜんぜんついていけないよ〜。 | |
玄徳 | (愚か者め・・・)まあ、それでは、順を追って話そう。劉備廟本殿の周りを、「四神」が囲んでいるのはわかるな?「青龍」「朱雀」「玄武」の簾と「白虎」の装飾だ。 この四神は、それぞれ司る方角がある。「青龍」は東、「朱雀」は南、「玄武」は北、そして「白虎」は西なのだ。 |
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阿斗 | 父上、セリフ長いっ!・・・で、西向きで何か問題あるの?西日がまぶしいからイヤなの? | |
玄徳 | そんなつまらん事はどうでもよい!朕は皇帝であるぞ!皇帝といえば南面、南を向くのが当然ではないか!それが何故、西なのか不思議に思わんか? | |
阿斗 | “自称”皇帝のなんちゃってだからじゃないの? |
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玄徳 | たわけ者が!朕は正当な皇帝であるぞ!よく聞け!劉備廟が西を向いているのは、日本から見て、蜀の国が、成都が西の方向にあるからだ!つまり「日本劉備廟ならでは」の趣向を凝らしている、ということなのだ!! | |
阿斗 | ええー?なんか嘘くさいなー。どっちかというと、三劉の作者が勢いで作って、たまたま白虎がのこって、あとで「やばいこれ南じゃないじゃん」とか気づいて、こじつけたんじゃないの?? | |
玄徳 | そんなわけないだろう!計算ずく・・・計算ずくで作ったんだ!口答えをするんじゃない! | |
阿斗 | というわけで、七不思議「本殿の劉備は何故西向きなのか?」は「作者が方向とか考えずに勢いで簾作っちゃったから」でした〜! | |
玄徳 | 違う違う違う!! |
七不思議その2.劉備廟の開廟日はなぜ2012年1月21日なのか? | ||
玄徳 | これは簡単だよな。12.1.21・・・この数字の組み合わせをみれば一目瞭然だ! | |
阿斗 | 1.2.1.2.1!上から読んでもしたから読んでも「しんぶんし」〜! | |
玄徳 | (愚か者め・・・)そうではないぞ。左側の1と2は、趙雲と関羽・張飛、中央の1は朕こと劉備、右側の2.1は甘婦人・糜婦人と孔明を示しているのだ! | |
阿斗 | ええー?なんか人選が偏ってない?ボクはいないの? | |
玄徳 | 役に立たないから、お前は数に入れてない。 | |
阿斗 | ひ・・・ひどいよ!だいたい、この理屈はおかしいよ!「三劉」なんだから3月6日(=sanliu)の方がぴったりくるのに! |
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玄徳 | むう・・・、いや、そういう考えはあるにはあったんだが、製作が間に合わなくてな・・・。 | |
阿斗 | 間に合わなかったといっても、廟主わたわたの誕生日・6月18日ならまだ納得いったんじゃないの? | |
玄徳 | むう・・・、いや、そういう考えはあるにはあったんだが、震災やら、異動やら、ゴルフやらいろいろあってな・・・。 | |
阿斗 | というわけで、七不思議「劉備廟の開廟日は何故2012年1月21日なのか?」は「製作がずるずる遅延して適当な日を逃した」からでした〜! | |
玄徳 | 違う違う違う!! |
七不思議その3.劉備廟のぼんぼりはなぜ側面にはついていないのか? | ||
玄徳 | ぼんぼりってわかるよな。コレ→ | |
阿斗 | ぼったくりはイヤだよぉ〜。 | |
玄徳 | (愚か者め・・・)「ぼんぼり」って言ってんだろうが!これは、正面に2つ、背面に5つ提げてあるが、側面にはない。・・・不思議だろう? | |
阿斗 | いや、べつに不思議じゃないかも。作るの面倒だったんでしょ?見えないところだから手を抜いたって感じ? | |
玄徳 | 失礼なことを言うんじゃない!この秘密は、屋根にある。屋根は左右斜めに広がっているわけだが、屋根の端の高さと、側面につるした簾の最上部の高さが一致しているのだ。つまり、これ以上手を加えようがないほど均整が取れていた、ということだよ。 | |
阿斗 | なんか説明苦しいね?ところで、ぼんぼりってどうやって提げているの? | |
玄徳 | たまにはいい質問じゃないか、息子よ。これは天井部の板のヘリに、釘をうって、釘のところからぼんぼりを提げているのだ。すごいだろ。苦労したんだ、ここは。 | |
阿斗 | な〜るほどね。で、釘はいつ打ったの? | |
玄徳 | 最後の、仕上げのところだな。偉いだろう?フィニッシュまで改善を続けるこの心意気、プロ意識! | |
阿斗 | ってことは、そのときには屋根はすでについていたんだよね?屋根があったら、側面にはもう釘打てないよね。・・・迂闊だったんだね、父上。 | |
玄徳 | だまらっしゃい!知力が低いくせに、いっぱしな分析をするんじゃない!計算ずく・・・すべて計算ずくで作ったんだ! | |
阿斗 | というわけで、七不思議「劉備廟のぼんぼりはなぜ側面にはついていないのか?」は「先に屋根つけちゃって釘が打てなかった」からでした〜! | |
玄徳 | 違う違う違う!! |
七不思議その4.四神「簾」の裏面の色は何故ひとつだけ違うのか? | ||
玄徳 | 四神「簾」は、「青龍」「朱雀」「玄武」の3つがある。裏面の色は「青龍」「朱雀」が朱色で、「玄武」は緑色なんだ。不思議だろう? | |
阿斗 | 四神「簾」だけど実は3つしかいないってやらかしてない?これは七不思議にはならないの? | |
玄徳 | 七不思議はお前が決めるんじゃないんだよ。残りのひとつは装飾で誤魔化してるんだからいいだろう? | |
阿斗 | っていうかさ、簾の裏側の色が違うってこと、普通は気づかないんじゃない? | |
玄徳 | ふふふ、そういった目立たない所まで工夫をしているのが劉備廟なのだよ。色によって、廟内の空気の流れを制御していることを表現しているのだ。東側・南側の暖かい空気(=赤)を北側に逃がす、ということだ。 | |
阿斗 | なんか嘘くさいなー。単純に絵の具がきれたんじゃないの? | |
玄徳 | そうではない! | |
阿斗 | 北側の色はどうして緑なのさ? | |
玄徳 | 理屈では説明できないが、まあ、なんというか、劉備といえば、緑っていうか。 | |
阿斗 | というわけで、七不思議「四神簾の裏面の色は何故ひとつだけちがうのか?」は「絵の具切れちゃった」からでした〜! | |
玄徳 | 違う違う違う!! |
エピローグ.劉備廟七不思議はどうして4つしか不思議がないのか? | ||
玄徳 | と、いうわけで。劉備廟の秘密がいろいろわかったかな? | |
阿斗 | え?もう終わりなの?まだ4つか紹介してないじゃん。 | |
玄徳 | 「七不思議だから7つ」なんで誰が決めたんだ。「七」は「たくさん」っていう意味なんだよ。虹だって、「七色」っていうけど実際の色数はあいまいだろ?「百万ドルの夜景」だって金額なんとなくだろ?(キン肉マンの)48の殺人技だって、作品中に10個も出てきてないだろ? | |
阿斗 | そういう開き直りはよくないと思うよ。 | |
玄徳 | まあ、とにかく、劉備廟は「あれ?コレって変じゃない?」と思いそうなところまで、工夫とこだわりが満載された、まさに「計算しつくされた完璧な芸術作品」だということがわかったね。 | |
阿斗 | なるほどね〜。そういえば父上も「計算しつくされた完璧な人生」だったよね。呂布・曹操・袁紹・劉表と居候しては敗走の繰り返し、徐庶に去られ、ホウ統を失い、夷陵で燃やされ、ホント計算づくで完璧だよね〜。 | |
玄徳 | ふざけるな貴様!苦労知らずのボンボンのくせに初代で創業者の苦労がわかってたまるか!知ったような口を利くな!! | |
阿斗 | まあ、そういうわけで、及ばずながら作者が一生懸命作りました劉備廟、今後ともご愛顧いただきますようよろしくお願いいたします。 | |
玄徳 | こら!そういう「まとめセリフ」は主人公である朕がいうのじゃ! | |
阿斗 | ハハッ、ご冗談を。この廟の主役はボクでしょ。 | |
玄徳 | 違う違う違う!! |