東呉「墓」名将番付

三国の中で、墓の数が圧倒的に少ない、呉。真偽はともかく、墓の有無が地元人民からの支持のバロメータとなることは事実であり、この現状は悲しい限りである。今回は呉将の面々がどれだけ「人民に愛される墓」を持っているかを、番付形式で検証してみたい。

番付の判定基準
横綱: 圧倒的なレベルと墓数を誇る、三国武将墓界でもトップクラスを張れる人物を選択。
大関: 他勢力にも自慢できる、高ランクの墓を持つ人物を選択。
関脇: 控えめでも、心に残る味のある墓の持ち主。複数墓のエントリーがあることもプラス。・・・ってか、あの夫婦。
小結: 観光地として単独でギリギリ成り立っているレベル。他国ならこのレベルで三役はありえないけど。
幕内: とにかく、現存すればOK。形式は問わない。それでも少ない。層が薄すぎる!
十両: あまりに番付表が寂しいため、未到達のものでも列挙。捜索したけど失敗した、それでもあるに違いないと負けを認めてないような墓が中心。
幕下: 超眉唾、もしくは消滅した墓の持主。こんなのでも載せないよりはマシ?英雄たちが地下で泣いているぞ!!もそっと増やしてくれ!!

墓一覧・解説
西 墓一覧・解説
1.魯粛墓遺祉 (鎮江)     ランクC、到達
2.鎮江魯粛墓 (鎮江北固山)ランクC、到達
3.岳陽魯粛墓 (岳陽)    ランクB、到達
4.亀山魯粛墓 (武漢)    ランクC、到達

墓の多さは呉国随一を誇る、今も民衆から慕われている名相。おそらく、呉で一番人民に愛されている人物は魯粛ではないだろうか。しかし、個々の墓がイマイチぱっとしないのは、キャラクター所以か?それでも、墓名将番付では東横綱の地位は譲れないところだろう。
魯粛
魯 粛

甘寧
甘 寧
1.富池甘寧墓 (陽新・富池鎮)   ランクS、到達
2.万州甘寧墓 (重慶市万県)    ランクS、到達
3.南京甘寧墓 (南京)        ランク-、捜索連敗中

聖地とも呼べる、Sランクの墓を二つ持つ。文句なしの横綱級だ(文句あっか?)。甘寧墓を訪れずして、「墓マニア」を名乗るなかれ!
南京にも墓があると言われ、何度もアタックしているが未発見。これを発見した暁には、晴れて東横綱の座を獲得だ!!
1.朱然墓 (馬鞍山)    ランクS、到達

呉の大司馬。歴史的価値の高い墓が完全な状態で発掘された。観光名所となり整備されている貴重な呉将墓。
朱然
朱 然

孫堅
孫 堅
1.高陵 (丹陽)   ランクA、到達

墓の「でかさ」だけなら抜群、文句なしに皇帝級の規模を誇ることから、大関の地位を獲得。ただし、碑がひとつあるのみで、名所としての開発意欲はあまり旺盛でない模様。近くに「偽物」があるので注意!!
1.盧江周瑜墓 (盧江)  ランクB、到達
2.岳陽周瑜墓 (岳陽)  ランクD、到達情報有

東西の関脇には、周瑜・小喬夫妻が仲良くランクイン。
盧江の周瑜墓は、文革を乗り越えた風雅な墓。近頃、少しづつではあるが整備され始めている。他にも岳陽に墓があるとのこと。
周瑜
周 瑜

小喬
小 喬
1.岳陽小喬墓 (岳陽)  ランクB、到達
2.盧江小喬墓 (盧江)  ランク-、未確認

有名な観光地・岳陽楼内にあるため高評価。おみやげで小喬グッズが買えることも特筆もの。盧江にも、周瑜墓と対になる位置に墓がある、とされるが、発見できず。
1.梅花山孫権墓 (南京)  ランクB、到達

意外と?扱いの悪い呉大帝・孫仲謀の墓。場所も、大体の推測であり、正確な埋葬地は不明だとの事。皇帝で、墓所がはっきりしているためか、「衣冠塚」「記念碑」的な墓がなく、墓数では劣勢なうえ、梅花山も朱元璋の門番の地位に成り下がっているため、残念ながら小結の評価に甘んじることとなった。
孫権
孫 権

陸遜
陸 遜
1.陸遜営陸遜墓 (赤壁)  ランクB、到達情報有
2.陸遜墓  (蘇州)  ランク-、消滅

赤壁近くの、陸遜営賽に設置された。墓としての整備度は高いが、歴史的な価値はない、記念碑的墓。そのため、小結評価にとどめた。本当の墓があるとされる蘇州郊外の陸墓鎮は、すでに何もなくなっているらしい・・・。
1.太史慈墓 (鎮江北固山)  ランクC、到達

当時の呉本拠地にある。小さいものの、信憑性は高い。普通のファンでも納得のいく水準はキープしている。
太史慈
太史慈

程普
程 普
1.程普墓 (瑞昌)  ランクD、到達

今にも水没しそうな河原にさらされている、「とても昔の人物」の墓。生き残っていることがある意味奇跡であり、マニアにとっては号泣もの。
1.谷朗墓 (耒陽)  ランクD、到達…したよね?

怪しさ抜群の、文物保護単位なのに碑もなく破壊の限りを尽くされている。おまけに、彼を三国・呉将と知るものすらほとんどいないマイナーぶり。それでも、現存しているだけで充分幕内の価値あり!
たにあきら
谷 朗

1.黄蓋墓 (蕪湖)  捜索失敗

「黄墓鎮」という地名もあり、現存するはずである。2002年にアタックしたが大雨の中ぬかるみにはまり、撤退。発見できず。
黄蓋
黄 蓋

顧雍
顧 雍
1.顧雍墓 (蘇州)  捜索失敗

蘇州郊外の小王山にあるとされる。”李根源”先生が発見し、整備をおこなったと伝えられる。現地では、”李根源”先生の墓は発見したものの、顧雍墓については未到達・・・。一帯が墓地になっているため、埋もれている可能性大。
1.呂岱墓 (赤壁)    未確認

赤壁にある。赤壁古戦場に、彼の墓の模型のような展示があるため、現存すると言えそうであるが、現場を求めてアタックするのはちょっと不安・・・。
呂 岱
周魴
周 魴
1.周処墓とセットで埋葬  未確認

息子の著名人・周処と同じ場所に埋葬されている。墓から出土した壺が博物館に展示されているため、現存することは確実だが、果たして見学に値する状況になっているのだろうか?
ホントすいません、記述投げやりで。だんだんやる気なくなってきた…。
1.孫将軍墓 (蘇州)  消滅
2.孫策墓 (無錫)  未確認

かつて蘇州に実在し、煙水亭に写真があるが、残念ながら証明したとの事。復活を祈る。無錫にも墓があるという情報があるが、こちらも到達情報なし。
なんというか、小覇王・孫策が幕下扱いってのがもう虚しすぎます。どんだけ人気無いんだよ、呉って。
孫策
孫 策

諸葛瑾
諸葛瑾
1.常州諸葛瑾墓 (江蘇省)  消滅

常州の郊外に墓があるとの情報から、捜索をおこなったが、工場を増築時に平地になったとのこと。
いみじくも、あの「諸葛孔明」の兄として、国家の重鎮を務めた人物として、この有様は悲しすぎる…。
1.凌統墓 (江陰)  未確認

この情報はすこぶる怪しい。はずれの青陽鎮という場所にあるようだが、相当な田舎であり、足がすくむ。
凌統
凌 統

丁奉
丁 奉
1.盧江丁奉墓 (盧江)  未確認

1953年に発見されたらしい。現在、保護単位として現存するか、甚だ疑問。捜索に踏み切るのは…やっぱり足がすくむ。



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