諸葛八卦村レポート

【諸葛八卦村簡易地図】

2002年ゴールデンウィーク、実質4日間で行ける三国遺跡は?考えた挙句に決めた場所は『諸葛八卦村』。諸葛亮の子孫達が住む村だ。最近観光地化され、それなりに有名と言っても、もとは人民が静かに暮らす村。“アクセスも難しいのでは?”と思っていたが、蘭渓では誰もが知っており、バスと徒歩で苦もなく到着。観光客も多く、なんと門票は40元!三国志遺跡の中では最も高いのでは?
それでも、諸葛亮の意思が受け継がれるこの村は、雰囲気がとても良く、まさにここだけが異空間といった感じ。三国志好き、諸葛亮好きなら、一見の価値あり!
諸葛八卦村門票:40元



【丞相祠堂】
明の万歴年間に建てられた丞相祠堂は、諸葛一族の祖先をまつっている場所。中庭には演義で諸葛亮が愛用していた四輪車(五丈原にもあった)が置かれ、回廊には諸葛亮一族14人の祖先の塑像が並ぶ。
奥に向かって階段を上ると村の神様・諸葛亮がまつられている。

諸葛亮像は着色無しのシンプルなもの。中国では三国遺跡に限らず、ド派手なおもちゃみたいな像が寺廟の雰囲気を損ねるケースがよくあるが、この諸葛亮像は村の雰囲気に溶け込んでいる。我々には馴染みのない諸葛京以降の一族についても、ここにくればよくわかるはず。

中庭 諸葛京塑像 諸葛大獅塑像 諸葛亮塑像
中央に置かれているのが
諸葛亮の四輪車。
諸葛亮の孫・諸葛京 村の創始者・諸葛大獅
は諸葛亮から27代目
ちょっと見にくい諸葛亮。
向かって右は関興。
左は…、張苞?



【大公堂】
元代に建てられた江南地方唯一の諸葛亮記念堂。堂の奥には子・諸葛瞻が立派に育つように願って書いた“誡子書”が掲げられている。

諸葛亮の諡“忠武”と大書きされているこの建築物は、村のシンボル的存在。私も訪れる前からこの写真は何度も見た事があった。でも中には御神体等は一切無く、“あれれ?”といった感じ。私が期待したものは丞相祠堂にまつられているわけであって、役割をきちんとわけているということだ。
大公堂内部 誡子書 諸葛亮掛け軸
内部は広い空間が続く 奥の壁に高く掲げられた
誡子書
奥の裏には小部屋がある



【鐘池】
村の中心にある池・鐘池は、風水をとり入れてつくられた諸葛八卦村にふさわしく、陰陽対極図の形になっている。

風水のこだわりを至るところで垣間見ることができる諸葛村。諸葛亮の子孫達が集団で住んでいるというだけで神秘的なのに、この池を中心に八卦陣の図式に村が構成されているなんて…。恐るべし、諸葛一族!



【郷会兩魁】
科挙の郷試・会試ともに第一位の合格者を出した家。

普通に人民が暮らしており、お約束のごとく洗濯物が干されている。それもそのはず、見かけは立派な門構えだが、ここは今でも人民のお家なんだから。
さすがに科挙の最終試験・殿試には一位合格者を出せなかったのかな?もし出していたら『郷会殿三魁』になってたのかな?
ちなみに郷=郷試、会=会試、兩=2、魁=首席という意味。



【古民居】
大公堂のすぐ横にある諸葛亮の第48代目の家。

ここは観光客も普通に見学できる村人の家。部屋には48代目が自ら書いた絵や掛け軸が並び、自ら営業部長として販売している。誡子書をすすめられたが、結局買わなかった。諸葛亮の子孫と会話をしたと思うと、何だか不思議な気分だ。
【天一堂】
天一堂は江南地方だけではなく、中国全土でも有名な薬屋。清の同治年間に創業した天一堂は既に140年の歴史を誇り、創始者は諸葛亮の第47代。写真の庭園(百草園)は、もとは薬草を植た場所。
諸葛家には「不為良相、便為良医(良き宰相とならずんば、良き医者たれ)」という言葉があるほどで、村の医薬業は代々盛んであった。

こじんまりとした百草園からは村全体を一望できる。百草園の横にはなぜか鹿が飼育されていた。もしかしてこれも漢方薬用?
それにしても家訓が「政治家か医者になれ!」というのはいかにも諸葛家らしいけど、“私は嫌だなぁ〜。”と思ってしまった。



【雍睦堂】
雍睦堂は諸葛亮第32代によって明の正徳年間に建てられ、既に約500年の歴史を誇る。今は村の農業文化展覧館になっている。

規模は小さいけど、歴史を感じさせる諸葛村らしい建物。



【三顧堂】
2階建ての建築物。2階には村の建築図等が展示されている。

2階の展示物は諸葛村を知る上で興味深いものばかり。歴史・文化に関するもの以外に建物の設計図なんてのもあった。


【大経堂】
明代に建てられた諸葛村を代表する建築物の一つ。今は諸葛村の薬業史展覧館になっている。

漢方薬の原料等、つまり植物や動物が展示されている。亳州の華祖庵にも似たような展示物があったが、諸葛村の方がゲテモノ(奇妙な動物)がある分見応えがある。


【諸葛亮像】
諸葛村に沿って延びる国道330号線沿いにある超巨大諸葛亮像。この村を通る車からは必ず見ることができ、まさに村の新しいシンボル。

私はこれ程巨大な諸葛亮像を見たことが無い。許昌春秋楼の関羽は別格として、亳州の曹操像より大きい。

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